- この絵本の説明:
-
杉の若芽は寒い山から温かい南の国で暮らしたいと思い、
あるとき、寒い時期には南国で過ごすという鳥に出会い、願いを話しました。
「南国は雪が積もることはなく1年中温かいところだよ」
「ちょっと遠いから何日も飛ばなければ行けないところでね」
と鳥さんが言いました。
本当に行きたいならいっしょに連れて行ってあげましょう。
杉の芽は、急いで準備しました。
鳥さんは杉の芽さんをくちばしで挟むと軽く飛び上がった
この時期は台風がくるから、急いで南方を目指さなければならない。
鳥さんは何度も南方に行っているから台風の怖さはよく知っていましたが・・・・・
「運ぶのは簡単よ」と鳥さんは考えていましたが、この台風の風は強かったのです。
この強い台風に巻き込まれると、海に落ちたり、
強風によって体力を消耗して命を落とす場合もあるのです。
特に、海のうえを移動している途中で嵐に巻き込まれると、
避難する場所がないため、危険が大きくなるのです。
何度も、海に落ちそうになっても、鳥さんは必死に飛んでいましたが、
強い風の影響で「杉の芽さん」を落としてしまったのです。
広い海の上では探しようがありません。
もし、島に落ちたのなら、助かるかもしれませんが、海ではダメなのです。
海は、塩水ですから、杉の芽さんは、助かりません。
やがて台風は過ぎ去りましたが、落とした場所がわかりません。
何とか、島に落ちていて欲しいと鳥さんは願いながら、杉の芽さんを必死に探しました。
鳥さんは何日も探しました!
どこに落ちたのかも分からないまま、探しようがなかったのですが、
何としても土のあるところに杉の芽を運んであげたかったのです。
とても申し訳なく思いましたが、長い間、後悔することになりました。
何百年もあとに、南の島にあるという「大きな樹」の話を聞きました。
その樹は「屋久杉」と呼ばれ、千年近く生きているらしいのです。
鳥さんは、思いだしました。
南の島に運ぶ途中に落としてしまった「杉の芽」さんかもしれない。
鳥さんは「屋久島」に行くことにした。
ずっと、思い悩んでいた理由は、
「上空で落としてしまったから、海に落ちてしまったかもしれない。
そうなると、海の塩水で、杉の芽さんは、生きていないかも・・・・・。
- ページ数:
- 34
- 対象年齢:
- 6歳〜
評価
ログインすると評価ができます
感想
この作者の近況ボード更新履歴
-
2024.12.28
ST0077-王子の時計(Pocket Watch)UPしましたが・・・
ST0077-王子の時計(Pocket Watch)UPしましたが、二重にアップしてしまい、取り消し方法がわかりません。
-
2024.12.08
現代童画展(11/10~16)拝観してきました!
上野の東京都美術館の第50回記念となる「現代童画展」を拝観してきました。約500もの作品がありました。童画展というイメージで行ったのですが、以外にも「絵画的」な作品が多かったような気がします。来年も楽しみです。
-
2024.11.24
久々にUPしました。「千年の約束」
「千年の約束」UPしました。屋久杉も「芽」から育って、すごーく大きな樹になる過程には、さまざまな歴史を生きてきたのでしょう。「約束」をしたら、「約束を守る」ということの重みは、子供には教えにくいことですよね。その重要性を伝えるとしたら、どうしていますか?
-
2024.03.18
0002 なっちゃんと金魚
「なっちゃんと金魚」は、3年前、コロナが日本で流行する前に創作していたものです。いきるものすべてに有りうる「死別」に対する教えを、幼い子供への説明を、どのように話したら良いのか、考えた時、「誕生」と「生きる」は説明できても「死別」は非常に難しいと思いました。
-
2024.03.14
0017 森のくすりやさん
森の奥深くにある小さな薬店「森のお薬屋さん」を営むリスさん。森の中でいろんな動物たちと協力してお薬の材料を集めています。リスさんの仲間たちはそれぞれの得意分野でリスさんを助けています。サルさんは木の実を運び、ヤギさんは薬草を見つけ、ウサギさんは薬土を掘り、キツツキさんは薬虫を捕まえ、カメさんは香石を採取し、アナグマさんは薬蛇を見つけ、アヒルさんは天然水を運んできます。そんなある日、森で大事件が起きます。クマさんが腹痛を起こして、おお暴れして、森中に混乱が広がります。森の動物たちは、リスさんに相談しにやってきます。クマさんの腹痛が治るお薬を作ってほしいと頼みにきたのです。薬を作ることはできますが、大暴れしている「凶暴なクマさん」に、誰が薬を飲ませることができるのでしょうか?
リスさんと動物たちは団結して、森を守る決意をします。彼らは互いの得意なことを活かして、クマさんに薬を飲ませる作戦を立てるのですが・・・
-
2024.03.04
0012 未来猫μ(ミュー)
男の子が主人公の物語ですが、本当は、私自身の入院体験がキッカケで創作したものなのです。3年ほど前「大動脈解離」という怖い病気で病院に運ばれ、生死をさまよいました。なんとか、この世に戻って来れて、病室から見える景色に「猫」を発見しました。しかし、その猫は、いなくなるのです。何度も、いなくなるのです。そのときに思いついた物語が「0012 未来猫μ(ミュー)」なのです。