- この絵本の説明:
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物語は、中国の山奥で暮らすパンダのところに、王様の使者たちが訪れ、都に来てほしいことを伝えます。パンダを乗せた行列は、宮殿に向かいます。途中、民衆が「パンダ」を一目見ようと、大勢集まっています。
宮殿では、王様が直接、パンダに挨拶をして、しばらく、宮殿で暮らすことになりました。パンダは、何日も暮らすうちに、山に帰りたくなりました。
山の仲間たちに会いたくなったと、王様に伝えると、都に来てくれたお礼にと、馬車いっぱいの「お宝」をもらって帰ることになりました。
途中、果実の収穫をしている村を通りかかったとき、パンダは考えました。
「このお宝を村の皆に持って帰るより、この果実のほうが喜ぶだろう」と思って、交換することにしました。久しぶりに村に戻ってきたパンダの「その話」を聞いた皆は驚きました。
果実より「王様のお宝」のほうが良かったのにと思ったパンダ村の動物たちは、
パンダが森に帰ったあと、話し合いをしました。
パンダの格好をして都に行ったら、だれでも「お宝」をもらえると思ったのです。
村の動物たちは、白と黒の「粉」で、じょうずに化粧をしました。まるでパンダのような白と黒になりました。
次の朝、村の動物たちは、都に向かいました。そして、都では「パンダが、また来てくれた」と噂になり民衆は喜びました。しかし、時間が経つにつれて、白と黒の「粉」がとれて、
「パンダのニセモノ」ということで、役人に連れていかれました。
「ニセモノ」として捕まった動物たちは、留置場に集められ大変なことになってしまいました。
留置場に集められた動物たちは、何日も水だけしかもらえず、白と黒の「粉」はとれて、見るからに、なさけない姿になってしまったのです。
何日か過ぎて、山からいなくなった動物たちのことを、パンダは心配していました。
都から帰って来たサルの話だと、みんなお祭り騒ぎのように、白と黒の化粧をして都に行ってしまったようです。うわさでは、「パンダのニセモノ」がいっぱい捕まったということでした。
パンダは、すぐに都に向かいました。
パンダは、いそいで王様に会いに行きました。
「ニセモノ」として捕まった動物たちは、悪気がなかったことを、王様にわかってもらえるように丁寧に説明しました。一生懸命、村の皆のことを許してもらおうとするパンダの姿を見て、
王様は、今回だけは許すことにしました。
次の朝、留置場から解放された動物たちは、パンダといっしょに、汚いかっこうのまま、村にもどることになりました。
それからは、他の動物の真似をすることなく、自分たちの本当の姿のままで暮らしました。
- ページ数:
- 34
- 対象年齢:
- 6歳〜
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この作者の近況ボード更新履歴
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2024.03.18
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2024.03.04
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どんな状況でも「生きるために・・・」ということを放棄しない。これを伝える物語を創りたいという思いからつくりました。この「グーニーググ」という名前は、30年ほど前に麻布十番にあった店の名前です。命名したのはワタシですけど、今回は「グーニー」&「ググ」というキャラクターとして、ダチョウとヤマアラシという異種動物の物語になりました。