- この絵本の説明:
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ある雨の日、家の前で死にそうになっている猫を見つけました。なんとかその子猫の命を救いたくて男の子は、濡れた猫をタオルで拭き、ミルクを飲ませ、優しく介抱しました。数日のうち猫は元気になり、彼になついて、名前を「μ(ミュー)」と呼ぶことにしました。
ここ最近「頭痛」や「吐き気」が気になり、病院で精密検査を受けると「脳腫瘍(のうしゅよう)」と診断され、余命を告げられます。心身ともに絶望的な心境の男の子は、思い悩みます。
ある日、病室の窓から見ていた「μ(ミュー)」について行くと、見たこともない地下の「空間」に迷い込んでしまいます。見たこともない医療機器、会話が、AIのような受け答えの人工的な医師、朦朧(もうろう)とする意識の中、夢か、現実か、判断することができない状態で、手術を受けることになります。やがて男の子は目を覚ますと、病室のベッドに横たわっていました。次の日、再検査の結果、驚くことが起きました。担当している医師が、モニターを見ながら不思議な顔をしています。前回、はっきりと見えていた「腫瘍(しゅよう)」が、どこにも見えないのです。脳の腫瘍が消えているのです。男の子は、あの未来空間で受けた手術が「腫瘍」を摘出したのだと確信したのでした。男の子は猫との絆を深めながら、不思議な体験をしました。果たして、猫との出会いや未来の空間は現実なのか、それとも夢の中の出来事なのかはわかりません。しかし、男は心に残る奇跡の経験を通じて、生命の尊さと未来への希望を持てたことは確かなのです。
猫が数日間姿を消す理由が、「現在」と「未来」を行き来しているからかもしれないと思ったのです。
- ページ数:
- 34
- 対象年齢:
- 4歳〜5歳
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感想
この作者の近況ボード更新履歴
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2024.03.18
0002 なっちゃんと金魚
「なっちゃんと金魚」は、3年前、コロナが日本で流行する前に創作していたものです。いきるものすべてに有りうる「死別」に対する教えを、幼い子供への説明を、どのように話したら良いのか、考えた時、「誕生」と「生きる」は説明できても「死別」は非常に難しいと思いました。
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2024.03.14
0017 森のくすりやさん
森の奥深くにある小さな薬店「森のお薬屋さん」を営むリスさん。森の中でいろんな動物たちと協力してお薬の材料を集めています。リスさんの仲間たちはそれぞれの得意分野でリスさんを助けています。サルさんは木の実を運び、ヤギさんは薬草を見つけ、ウサギさんは薬土を掘り、キツツキさんは薬虫を捕まえ、カメさんは香石を採取し、アナグマさんは薬蛇を見つけ、アヒルさんは天然水を運んできます。そんなある日、森で大事件が起きます。クマさんが腹痛を起こして、おお暴れして、森中に混乱が広がります。森の動物たちは、リスさんに相談しにやってきます。クマさんの腹痛が治るお薬を作ってほしいと頼みにきたのです。薬を作ることはできますが、大暴れしている「凶暴なクマさん」に、誰が薬を飲ませることができるのでしょうか?
リスさんと動物たちは団結して、森を守る決意をします。彼らは互いの得意なことを活かして、クマさんに薬を飲ませる作戦を立てるのですが・・・
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2024.03.04
0012 未来猫μ(ミュー)
男の子が主人公の物語ですが、本当は、私自身の入院体験がキッカケで創作したものなのです。3年ほど前「大動脈解離」という怖い病気で病院に運ばれ、生死をさまよいました。なんとか、この世に戻って来れて、病室から見える景色に「猫」を発見しました。しかし、その猫は、いなくなるのです。何度も、いなくなるのです。そのときに思いついた物語が「0012 未来猫μ(ミュー)」なのです。
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2024.02.03
グーニー&ググの大冒険: Coexistence Story
「グーニー&ググの大冒険」→ 公開されました。
「生きる意味」をテーマに創作しました。
どんな状況でも「生きるために・・・」ということを放棄しない。これを伝える物語を創りたいという思いからつくりました。この「グーニーググ」という名前は、30年ほど前に麻布十番にあった店の名前です。命名したのはワタシですけど、今回は「グーニー」&「ググ」というキャラクターとして、ダチョウとヤマアラシという異種動物の物語になりました。