- この絵本の説明:
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ある雨の日、家の前で死にそうになっている猫を見つけました。なんとかその子猫の命を救いたくて男の子は、濡れた猫をタオルで拭き、ミルクを飲ませ、優しく介抱しました。数日のうち猫は元気になり、彼になついて、名前を「μ(ミュー)」と呼ぶことにしました。
ここ最近「頭痛」や「吐き気」が気になり、病院で精密検査を受けると「脳腫瘍(のうしゅよう)」と診断され、余命を告げられます。心身ともに絶望的な心境の男の子は、思い悩みます。
ある日、病室の窓から見ていた「μ(ミュー)」について行くと、見たこともない地下の「空間」に迷い込んでしまいます。見たこともない医療機器、会話が、AIのような受け答えの人工的な医師、朦朧(もうろう)とする意識の中、夢か、現実か、判断することができない状態で、手術を受けることになります。やがて男の子は目を覚ますと、病室のベッドに横たわっていました。次の日、再検査の結果、驚くことが起きました。担当している医師が、モニターを見ながら不思議な顔をしています。前回、はっきりと見えていた「腫瘍(しゅよう)」が、どこにも見えないのです。脳の腫瘍が消えているのです。男の子は、あの未来空間で受けた手術が「腫瘍」を摘出したのだと確信したのでした。男の子は猫との絆を深めながら、不思議な体験をしました。果たして、猫との出会いや未来の空間は現実なのか、それとも夢の中の出来事なのかはわかりません。しかし、男は心に残る奇跡の経験を通じて、生命の尊さと未来への希望を持てたことは確かなのです。
猫が数日間姿を消す理由が、「現在」と「未来」を行き来しているからかもしれないと思ったのです。
- ページ数:
- 34
- 対象年齢:
- 4歳〜5歳
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感想
この作者の近況ボード更新履歴
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2024.12.28
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2024.12.08
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2024.03.04
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