- この絵本の説明:
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あらすじ
ある晩、小さな女の子・みおちゃんは、ひとりでお留守番をしていました。お父さんもお母さんも帰ってこない夜は、ちょっぴりさみしい。
そのとき──ぽん、ぽん……ふしぎな太鼓の音が、風に乗って聞こえてきました。
音をたどって森の奥へ進んでいくと、赤く光るちょうちんに導かれ、そこには見たことのないサーカステントがありました。
中をのぞくと、妖狐が火の輪をくぐり、一反木綿が空を飛びながらジャグリング。猫娘が美しい歌を歌いながらつなわたりをする。
それは、妖怪たちだけがつくった、寂しい心にだけ届く一夜限りのサーカス。
ぬらりひょん団長はニコリと笑います。「このサーカスは、心がさみしい子にだけ、見えるんだよ。でもね……夜が明ければ、全部消えちゃうんだ。でもみおちゃんが覚えていてくれれば思い出は消えない。それに、いつでも見守っているよ」
✨ 作者のことば
ひとりでいる夜、子どものころの私は、ふと思いました。
「どこかに、誰にも知られていない楽しい世界があるんじゃないか」と──。
この絵本は、そんな幼い想像力と、胸の奥の小さな不安から生まれた物語です。
そして同時に、現代の日本人が少しずつ忘れかけている「自然との調和」や、
目には見えないけれど確かにある「心と心のつながり」を、大切に描きました。
さびしい夜にも、きっと誰かがそばにいてくれる。
たとえ見えなくても、ご先祖さまや自然の命と、私たちはどこかでつながっている。
そんなあたたかく、やさしいメッセージが、読む人の心に届きますように。
- ページ数:
- 20
- 対象年齢:
- 6歳〜
評価
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