- この絵本の説明:
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一、りんご畑にふくろう
秋風がふんわり、夕日を浴びた西空は茜色。
りんごの実もたわわ、葉もきらめいて、
木漏れ日もユラユラ。
ふと木々がサワサワ、
見上げた枝には一羽のふくろう。
「おまえさんはネコにそっくりじゃな。」
じっちゃんが声をかけると、
ふくろうはまっすぐ大きく目を見開いて、
話し始めた。
二、六甲牛山は…
「ネコなんぞとはとんでもない。
おれは六甲牛山に住まうふくろう。
森の女王ブナに、
さやかに包まれた美しい山の、
六角石のご神体は、
徳の高い女神の印。
ご存じの通り、
おれは山では知れた狩の名人。」
三、まん丸なのは…
「そうかい。
どこから見てもネコにそっくりじゃ。
狩の名手なら、
やっぱりネコを腹に入れたな。
まん丸なのはそのためか?」
ふくろうはモゾモゾと太った首をかしげ、
目をパチパチ。
四、怒ると大きくなる
「ネコはまずくて食えないね。
フウー、わしが怒れば、
こんなに大きくなるんだぞ。」
ふくろうは首をすくめ、羽根をふくらませる。
「そうかい。ネコだって怒ると大きくなるぞ。」
五、空を飛ぶ
ふくろうは翼を広げて見せた。
「どうだ。狩の時には空を飛ぶ。フウー。」
「ネコも、狩の時には空に跳ぶなー。」
「フウー、ネコは下から上にとびかかるだけ。
オレは空から、獲物の上に舞いおりる。」
六、たそがれのふくろう
ふくろうはソワソワ、羽根をフルフル。
「フウー、夕ぐれは狩のころあい。
ネコはおれのあだ名さ。」言い捨てると、
もやでかげったうす紫の、東の空に飛び立った。
たそがれのりんご畑。
じっちゃんとネコはそこにいて、
はるかにふくろうの影を見送る。
遠野上郷は、そんなお話が生まれるところ。
- ページ数:
- 7
- 対象年齢:
- 6歳〜
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