ともだち

友人のすばらしさをストレートな言葉で伝える、メッセージ性の高い作品です。

人間は社会的な生き物であり、必ず誰かと関わり合いながら生きていくものです。だからこ
そ、人間関係の良し悪しは人生を大きく左右します。「ともだちは大事」そんなの当たり前
のことじゃないか、と思ってしまうかもしれませんが、こうして当たり前のことを声を大に
して言うことは重要だと考えます。知っていると思っていることでも、言葉に出すことでよ
り深く理解することになり、特に他者の思惑が直接介入しない「書籍と読者」の関係性にお
いてこのメッセージを受け取ることには大きな意味があります。本書のターゲットである
少年少女にこのメッセージを伝えることは、彼らの人生をより良い方向に導くことが出来ると思います。

また、一文一文が短いため、メッセージがすっと心に届いていきます。「友情」、「絆」を
テーマにした作品は、含みのある表現でテーマをほのめかすようなつくりの作品も少なく
ありません。しかし、「空気を読め」「忖度しろ」という、常に裏の意味を読み取ることを
強いられている現代人にとっては、時に本作のような、まっすぐな言葉が響くのです。