イラストレーターについて
絵本のイラストレーターを選ぶ際には、あえてまだ絵本の実績がない方にお願いしています。
さらに私は、複数のイラストレーターに依頼して、一つの世界を少しずつ構築しています。
その理由は、
メリット
・単価が安い
・柔軟に対応してもらえる
・お互いに成長できる
・人気が出たとき、処女作がファンの目に必ず留まる
・異なるイラストレーター同士のコラボによって、新たなファン層の獲得や相乗効果が期待できる
デメリット
・イラストレーターが人気になっても、すぐに話題性につながらない
・世界観に一貫性がなく見えることがある
漫画でたとえるなら、著者兼プロデューサーは1人ですが、体制としてはCLAMPさんスタイルです。
少ない予算で夢を形にするには、コーヒー1杯で物語を書き続けたJ.K.ローリングのように、信念を貫く強さが欠かせません。
なお、このようなスタイルになったのは、20代の頃、私のクリエイターとしての才能がなかなか開花しなかったからです。
なぜ、あのクリエイターは売れて、自分の作品は売れないのか。
どうすれば、好きなことを仕事にして生きていけるのか。
そんな問いを胸に、周囲を見渡す日々が続きました。
「どうしてあの人のイラストはこんなに素晴らしいのに、メジャーにならないのだろう?」
さんざん悩み、迷い、研究し、試行錯誤を重ねた末に、私は決めました。
自分ひとりで上を目指すのはやめよう。
まだ名は知られていなくても、確かな才能を持つ仲間たちと協力し、共に成長しながら成功していこう。
だから私は、権力には左右されない独立独歩の道を歩みつつも、「個人のため」と「チームのため」を半分ずつ大切にしています。
他人のために尽くしすぎれば不満が生まれ、自分のために求めすぎれば心が狂っていく。
その中間で調和を見いだせたとき、心は澄んだ水の中を、気持ちよく泳ぐように進んでいけるのです。